執筆:廣田祐也(第7回未来の山口の運動会実行委員会)

はじめに

2023年5月5日(日)、山口情報芸術センター[YCAM]にて『第7回 未来の山口の運動会—あつまれ!未来のスポーツ収穫祭』を開催しました。

このレポートは、イベントを企画・運営した立場から、主に運動会当日について振り返るものです。

第7回 未来の山口の運動会の大きな目標は、参加者の皆さんに「スポーツはつくれる」と知っていただくことでした。運動会当日は、参加者の皆さんが自分たちで種目(スポーツ)をつくり、手づくりの種目を運動会でやってみることを通じて、スポーツづくりの過程や、その良し悪しなどを「体験」でお伝えすることを目指しました。

このレポートでは、そんな思いの詰まった運動会を振り返りながら、スポーツづくりについての考えを「言葉」でお伝えできればと思っています。

当日イベントに参加いただいた皆さんや、未来の運動会に興味を持っている皆さん、運動の得意不得意に関わらずスポーツをやったことがある皆さんに読んでいただけると嬉しいです。

当日のダイジェスト映像

当日のダイジェスト映像

「未来の運動会」そして「第7回 未来の山口の運動会」とは

そもそも「未来の運動会」とは、ゲームクリエイターの犬飼博士さんによって2014年に始められたプロジェクトです。皆さんも「運動会」には参加したことがあると思うのですが、ここに「未来の」という言葉が付いています。「未来の運動会」は、*運動会の未来を考えてつくるプロジェクト**です。(未来の運動会プロジェクト | 一般社団法人 運動会協会https://www.undokai.or.jp/futureundokai

未来の運動会では通常、新しい運動会種目をつくるイベント『運動会ハッカソン(スポーツハッカソン)』と、つくられた種目を競技するイベント『未来の運動会』の2つがセットとなって実施されます。

未来のことを考えながら他の人と協力してオリジナルの運動会をつくることで、ひいては社会の未来を、参加者が自分たち自身の手で想像しながらつくる試みです。山口市では『未来の山口の運動会』が2015年から定期的に行われていて、開催回数も認知度も全国トップです。

https://lh7-us.googleusercontent.com/TSK3Hv1NQoj-PIVPm2bvQZMmNC_fjJ-_fmYoYySxsfHyIezZr9XKiVxh2X40mHTEcY8-A8c8RIsdZLie2X5sXBRTO0Tx2be2ITi4YixpLIPimwYoHccfiHuA-0L2a2H0xiHApIefFr-exa8Fx0HDMTc

「第1回 未来の山口の運動会(2015)」の様子|写真撮影:田邊るみ

「第1回 未来の山口の運動会(2015)」の様子|写真撮影:田邊るみ

『第7回 未来の山口の運動会』は、第6回までと大きく異なることが2つありました。

1つは、市民からなる実行委員会とYCAMとの共催で開催されたことです。第1回〜第6回までYCAMが中心となって開催してきた未来の運動会に参加して関心を持った市民が集い、自らも企画制作に携わることを希望して第7回を開催しました。

今回のスタッフの集合写真

今回のスタッフの集合写真

もう1つは、種目づくりから競技するまでのすべてを1日で行ったことです。これまでYCAMでは、30名が参加する『スポーツハッカソン(参加者:中学生以上)』を2日間、200名以上が参加する『未来の山口の運動会(参加者:小学生以上)』を1日、合計3日で開催されていました。しかし今回は、運動会に参加する子どもたちを含めたより多くの人に「スポーツはつくれる」ということをもっと体感してもらいたいと考えました。そのため今回の「未来の山口の運動会」では、これまで分かれていた「種目づくり」と「運動会」の要素をギュギュッと1日に凝縮させ、100名以上の参加者の皆さんと一緒に種目づくりから始める運動会を企画しました。

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